鬼柳+盗賊王(5D's+原作) | 方舟機関

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鬼柳+盗賊王(5D's+原作)

光の差さない真っ暗闇。奈落へ続く急傾斜の階段。はじめの一歩は死。後は転げ落ちる要領で、勇む足が縺れ、勢いその身を打ちつけても、怨念は留まることを知らない。
もうどれほど降ったかわからない。端から数えてもいなければ。この階段を降りるのは、生きるため。生きて、報いるのだ。仲間を捨て友を殺した裏切り者共に。そのためならば、なりふりを構わない。悪魔とだって契ろう。冥府にだって堕ちよう。もうはやそれしか、残っておらんのだ、鬼柳が自らの生の価値を残す手段は。
もうどれほど降ったかわからない。それを知る必要もない。自らの神の御座す深みまで、歩みを止めるつもりはないのだから。
「オイ」
なかったのだ。
「オイ、兄ちゃん」
「……」
幻聴だと思った。乱暴で下卑た呼び声は、かつて幾度と投げよこされたセキュリティのそれを思い出させ、胸くそが悪くなる。
「無視すんなよ、淋しいんだよ」
踊り場を踊るはずが、くん、と足首を捕まれ、慣性に従い、上半身が顔面から壁に体当たりする。
「……っ?」
そうしてようやっと、
「やあっと気付いてくれたな、ニイチャン」
何者かに話し掛けられていたことを知る。この地獄道に居座る者があったことよりも。
「……っ…………!?」
咄嗟に声が出ないことに。漏れ出た声が言葉にならないことに。
「んなに驚くことかね」
「……」
「だあって、ずうっと無言でおったんだろ? そりゃあなあ、口を利かなきゃ喋り方なんか忘れちまうよ」
にやり、裂けた口が見えた。
「呪咀でも吐いてりゃよかったのに。ここにいるってのはそういうこった」
見透かされている。癇癪よりも、自嘲が先にきた。さぞ、
「情けない顔」
をしているのだろう。自覚はあった。
「見栄を張るなよ。楽になれるぜ。憎しみを糧に生きればいいのさ。まっすぐ下を目指せばいい」
「……」
なら、その手を外せ。相変わらず声にもならない、遺志を込めては闇を睨み付ける。俺は逝くのだと。



<!−−クロスオーバー−−>
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