#書いた 旅の途中。
デンマークからドイツへ。国境を越えて、最初の町で、バスを降りた。電車に乗り換えようと、まず、駅を探そうと、辺りを見回した。
目が合った。
スーパーマーケットの紙袋を抱えて、信号待ちをしていたヨハンと。
信号が青になった。ヨハンが駆け寄って来た。
そして、ユベルの腕を掴んだ。
あっと言う間もなかった。
十代がユベルの代わりに「あっ!?」という声を上げてくれたその時には、もう、横断歩道を渡り切っていたし次の交差点に差し掛かっていた。
信号が赤になった。ヨハンが足を止めた。
そして、ユベルの腕を放した。
そうだった。ヨハンはそういう奴だった。
心中だって、駆け落ちだって、本当にするつもりなんてない。