マトミレ すれちがい様。ハミュッツが涙していたのを見た。この目では初めて、見た。だからといって、立ちどまりはしない。振りかえりはしない。だって、他人事なのだ。廊下の突きあたりには図書室がある。入室すれば、聞こえよがしのため息。吐きたいのはミレポックの方だった。