方舟機関

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刻弾(SC(S))

弾徹也は天籟だ。

突然ですが、こんにちは。
ボクはダニエル。(だから、ボクがダンだ。)
テツヤはボクの友人だ。(というより、ボクがテツヤの友人だ。)
ボクらの出会いは音楽院でのことだ。
実を言うとボクは、当時、別の大学の院生だった。
学校間の単位互換制度を使って、音楽院の授業を受けていた。
音楽家としての素養があるでなし、必然、座学だけ。
自分なりに勉強していても不勉強が否めず、何となく、隅の席に座った。
翻って、いつも、教壇の目の前に居たのがテツヤだ。
いつも。ボクの取る授業には、彼がいた。
二重の学校生活にも慣れた新学期。
その授業を取ったのが、ボクら二人だけだったのだ。
わざわざ教室を使うこともないと、授業は研究室で行われることになった。
ボクらは隣り合って、先生と向き合った。
それ以来、ボクは今日の今まで、テツヤに振り回されている。
何せ、職場まで同じなものだから。
ボクらはオーケストラのスタッフとして、コンサート・ホールで働いている。
ボクは司書で、テツヤは舞台監督。それぞれ頭に補助が付く。



<!−−「見えて聞こえる風がある」の没稿−−>