氷ザク(SEIYA) | 方舟機関

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氷ザク(SEIYA)

アイザックは、とても真面目な人だ。俺だって聖闘士としての使命になら真面目にもなるが、そうじゃなくて、人として真面目なのだ。俺が母恋しさに泣いていた年頃に、すでに地上の愛と平和を守る使命に目覚めていたというのだから。
アイザックは、とても綺麗な人だ。人々は目を背け、俺を見ては美しいと褒めそやすが、そんなことはない。人相が悪いと言われるのは、いつも思いつめたような表情をしているからだろう。それに、その端正な顔に陰を差す左眼の傷は俺を救ったために出来たものと知っていれば、心苦しさを覚えこそすれ、醜いなどと思えはしない。
アイザックは、とても優しい人だ。人に優しく己に厳しく、俺にも厳しい。それは優しさなのだ。
アイザックは、とても強い人だ。

兄弟子は、生真面目で融通が利かなく、綺麗な顔を顰めてばかりいたし、師カミュの代わりとでもいうようにその言葉は厳しかったが、ライバルである俺を蹴落とすものではなかった。
俺は、そんなアイザックが好きだった。ずっと大好きだった。
俺に聖闘士としての心構えを教授したのはカミュよりもアイザックだったとすら言える。言葉少なに、命を懸けて、救うべきを救う。アイザックの姿は最高にクールだった。
でも、何も、俺で実践してみせなくてもよかった。

再会は水底の神域、地上を滅ぼさんとする海皇に与する海将軍として、アイザックはいた。俺たちは敵として相見えた。
その時、俺が胸に抱いたのは喜びだった。生きていてくれた! 思うことはそれに尽きた。
まさか、アイザックの正義が変わっただなんて信じられるわけもない。枉げられるようなものが正義であるはずもない。いいや、だからこそ、今一度選んだ正義を貫くのだろうと理解してしまった。
殺し合うしかない、と。
俺のせいで落としかけた命を、海闘士としての宿命が拾った。それを、やはり俺が捨てる。
どうあっても、俺がアイザックを殺す、という運命は変えられないらしかった。皮肉だなんて言うつもりはない。
師を殺した拳で、また一人友を殺した。
やはり、アイザックは、優しくて強い人だった。
己の正義も俺の正義も枉げることなく、俺にクールたれと教えて、その命を使い果たした。カミュの言葉をまたも体現せしめたのだ。

今は少し気が抜けている。

白鳥座の聖闘士は俺に決まってしまっているし、アイザックはクラーケンの海闘士だが、当の海皇ポセイドンは眠りに就き、今のところお呼びでないという。



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