アスプロス+アスミタ(LC) | 方舟機関

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アスプロス+アスミタ(LC)

「君も食べていくかね?」
「は?」

 いきなりだが.
 アスプロスの昼食は,そして,アスミタの朝食はピタサンドと相成った.
 それというのも,セージが寄越した籠にはピタとチーズとレタスが詰められていた.

「お前には俺たちと同じものが食べられないのだと思っていた」
「そうだな.バラモンならばこのパンもこのチーズも『食べられない』と言うだろう.しかし,私の知るある男ならばアヒンサー(禁忌)など『くそ食らえ』だと言うだろう」

 完成品ではなく材料を寄越したのは何故かと思ったが,その理由は,ソースはアスミタが手作りするからというもののようだ.
 作業台に所狭しと並べられた葉や実.それらを混ぜたのだろう緑色のソースを匙で掬い上げてはピタに掛ける.
 そのピタにチーズとレタスを挟むことを繰り返し,出来上がったピタサンドは三つ.

「その真似事をしているのだよ.肉食にまでは手を出せないがね」

 一つをにこやかに渡された.にこやかに受け取った.ご馳走に与るつもりがなければそもそも処女宮の勝手場に上がり込んではいない.
 アスプロスは齧り付こうとし,止め,にこやかに問うた.

「アスミタ.このソースは?」
「チャツネというものだ.グリーンチリ,ミント,そして,コリアンダーを使っている」

 にこやかに答えられた.

 コリアンダー.二四〇年余り後の日本ではパクチーとして知られることと成るこのハーブをアスプロスは嫌っていた.
 だって食べ物からするべきではない臭いがする.
 意を決して口を付ければ二〇年の人生で食べたことがない味がする.不思議なことにハーブらしい苦味よりも甘味のほうが感じられる.不味くはない.美味い.
 それはともかくも臭い.

「どうだ?」
「ああ.美味いよ」
 
 己.謀ったな教皇.
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